20220324 銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章 <スタッフトーク付上映>第二弾

登壇者

三間雅文(音響監督)

遠藤綾(フレデリカ役)

 

・音響監督というお仕事について

三間さん

音響は監督との通訳の仕事とお話ししている

劇伴、声優さんなど

声優さんに分かってもらえるような伝え方に言いかえたりする

ただ明るく、ではなく走り出す感じ、とか

説得する感じで、とか


・銀英伝に関わる経緯

英伝はずっとやりたかった

ある監督とやりたいとずっと話していたら、別のところで企画が進行してるよ、と聞き、それがノイエで声をかけてもらった

なので楽しい、ありがたい


遠藤さんのフレデリカは指名


・遠藤さんと三間さんのお仕事遍歴

最初はあやかしあやしで、レギュラーではマクロスフロンティア

遠藤さんは声に品があるんですよ、と三間さん

マクロスの話になっちゃうけど、女性のみた女王様と男性のみた女王様は違うんだなと感じた

あとは妖怪、ファフナーなど


・遠藤さんによる三間さんの印象

膝をついて話してくださる


三間さん、自分は声の演技はできなくてやってもらうので、上からというわけには

いつも右膝をつくので、右だけ穴があき、よくいくジーパン屋さんが縫ってくれる

コロナでそのディレクションができなくなり、膝も破れなくなった


コロナ下の収録では、目をみて話せないのが難しいところ

声優さんは返事よく、と学校で指導されるらしく、分かってなくても返事がいいので、ほんとに分かってくれてるかは、目をみて話したいところ


濃厚接触者になったとき、「シング」をリモートでディレクションしなくてはならなくなり、それはさすがに難しいのでアフレコのブースまで行かせてもらった

 

・銀英伝のキャストについて

フレデリカの役は指名

やはり品があるので、とのこと


ラインハルトとキルヒアイスは50組くらいオーディションをした

最終的には二組が残り、宮野さん梅原さん組と、もう一組は20歳くらいのふたり

ただ、ラインハルトって一線を超えちゃってるんですよ なので宮野さんに

宿ってる、と遠藤さん


ミッターマイヤーとロイエンタールは、中村さんと小野さんで、ただ、どちらにどちらを演じてもらうか?で悩み、最終的には監督の判断で今のキャストに決まった


ヤンは最初から鈴村さんだった


英伝は軍人が多いので、もっと太い声のひとはいませんか、みたいなオーダーに応えるのが難しい

前は役者さんが声の仕事もやる、という感じで肉体派が多かったけど、今は筋肉隆々みたいな方がいなくて、シュンッとしてる

体育会系から文化系になった感じ

 

梶さんについては、ほったらかしです、とのこと

でも自由にやるタイプではなく、監督の求めるものはなにか、を模索していくタイプ

 

なんでしょう、息子みたいな

お父さんみたいなって言ってもらえるけど、兄と言え、と返す


鈴村さんはほんわかしていて、フレデリカとユリアンの演技がヤンに対して、まったくもうという雰囲気が出過ぎる

艦橋ではリーダーで地位も高いひとなのでもうちょっとリスペクトを、となる

「激突」ではまた尻に敷いてる、というダメ出しが多かった


だって鈴村さん、ポケットからなにか落としたりするから、と遠藤さん


頭をくしゃっとするのもヤンみたい


ゆるキャラみたい、と三間さん


・銀英伝ならではの点

遠藤さん

日常では言わないセリフが多い、「帝国(ていこく)」と「提督(ていとく)」を言い間違えたり


同盟パートと帝国パートに分かれて収録することが多いので、交代のときに、わっ帝国だ、となる

帝国の収録現場がどんなか気になります、と


三間さん

宮野さんが孤立してます、と

今は7人まで入れるスタジオを使っている

5つのマイクと二つのブース

役が親しいひとは隣にしたりするものなので、ミッターマイヤーとロイエンタールが隣同士、真ん中に宮野さんを挟んで、その他のひととなる

宮野さんは椅子に座って台本を読み、立ち上がって屈伸してまた練習に戻る、みたいな

入り込んでいる様子

 

遠藤さん、人懐っこいひとなんですけどねと


・遠藤さんによる印象

大人になった

梶くんから梶さんになった


鈴村さんは話せば話すほど、ほんわかしたひとだなと

三間さん、怒ったことあるのかね?と


二人とも優しいです、と遠藤さん

 

 

ミッターマイヤーは息芝居を入れるけど、ロイエンタールは入れないようにしている

「ふっ」「はっ」みたいな音は、アニメの枚数が少なかったころにできたアニメならではの手法で、今はアニメの枚数も多いので


ロイエンタールは秘めているものがあるので、なるべく息芝居は入れない

中村さんが入れてもカットすることもあるし、中村さんとここいらないよね、と話してなしにしたりする


・「激突」で変わったところ

音源をばらして、ティンパニだけ、とかにしている

音源はもともと楽器ごとに別々に収録している


石黒版では、クラシックのCDを渡されて、テープにダビングして繋いで、とやっていて苦労した


今は技術が違っていろいろできるのがいいところ


劇場上映やイベント上映があるかもということで3.1チャンネルでの制作をお願いした

5.1チャンネルだともっと金額があがる

こんなにぜんぶ劇場でやってもらえると思っておらず嬉しい


映画館だと、正面からセリフ、左右から劇伴と効果音、スクリーン下部から低音、で3.1チャンネルらしい

リアも使うと5.1チャンネルになるらしい


なにせキャラクターが多いので、誰々のテーマというのは作ってない

唯一、アンネローゼはテーマ曲を作った

最初はアンネローゼを軸に物語が展開するので


遠藤さん

フレデリカは、居場所ができたかな、と

それが変わったところ


・最後に

三間さん

イベント呼ばれるのはノイエ銀英伝くらいなので嬉しい

まだ三分の一くらいなので、長生きしたいです


遠藤さん

最後まで演じ切りたい、観きっていただきたいです

 

20220317 銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章 <スタッフトーク付上映>

・スタッフ舞台挨拶

高木登さん(シリーズ構成・ユリアン初陣パート【25話】脚本)

根元歳三さん(ラインハルトの改革パート【28話】脚本)

 

・ノイエ銀英伝に関わる経緯

高木さんは、ちょうど原作のKindle版を懐かしいなと購入していたタイミングで、アイジーのくろきさんから声がかかった

根元さんは、高木さんから声がかかった


高木さんは最初のころに監督、磯部さん、くろきさんと打ち合わせをした

 

・シリーズ構成について

高木さん

邂逅、星乱では落ちてしまったシーンがたくさんある


プロットからシナリオ、コンテ、編集と経るごとに落ちる


なので激突からは、主要なシーン、エピソードを決めて、そこから割り振っていく方法に変えた

高木さん比で、通常より細かめのプロットを決めている


ノイエでは大プロットと呼んでいるものを作って脚本家に渡す

そこからさらにプロットを作るひともいれば、シナリオを書きはじめるひともいる


・ノイエ銀英伝について

監督の意向で、キャラクターに焦点を当てていこうと

OVA版は俯瞰的だけどそこが一番、違うところ


・ノイエ銀英伝で特別なところ

高木さん

原作ありの脚本を書くことはあるが、もともと原作を知っているのは初めてで、そこが特別かも


根元さん

セリフを作るときもあるが、言葉遣いが古風なので考えるひと手間がある


また世界観は未来なので、通信といってもどうしているのか?とか悩む

分からなくて「通信」とだけ書くときもある


・25話初陣について

高木さん

原作だと地の文で書かれているが、全部ユリアンの独白とはいかない

会話をするのにアッテンボローが適当だろうというように決めていった

軍人になりたいと明確に発言したシーンがほしくて、外伝からシェーンコップとの会話を持ってきた


大プロットからシナリオに入った段階で、ピーターやベイトマン教官の案を入れた


脚本を持っていって、みんなの意見を容れて打ち合わせを経て3案、4案で決まる

アニメはいつもそのくらいの回数

実写だと20、30といくこともあってやってられない、となる


・26、27話 双璧の過去について

当初から、どこかで入れたいエピソードで、ここだろうとなった

当初は1話分だったけど、足りなくて2話分になった


原作だと、ユリアン初陣から帝国の場面にさらっと移行していく、ロイエンタールの過去が触れられるくらいだけど、ここでエピソードを差し入れた


・28話について

根元さん

原作だと地の文でラインハルトの改革が語られるところをどう縦の糸を入れようと

最初は女性文筆家が語る案も考えたけど、知らないひとが語るのもどうだろうとなって、原作をみたら、犬が。

四足動物をアニメにするのは難しいらしいのでどうかなと思ったけどやってくれてよかった


高木さん、よかった、犬がオーベルシュタインの車に乗ったところは笑った、と

 

ビッテンフェルトとメックリンガー、オイゲンの食事会は当初案は別々の場所にいて点描だったとのこと

会食になったのは根元さん案ではないっぽい語り方だった


このときはまだコロナ前で、有楽町のドイツ料理屋にみんなで行ったらしい

スタッフがシュバイネハクセの写真を撮っていたらしい


・書きやすいキャラクターは?

高木さん

よく聞かれるけど、書きやすいキャラクター、書きにくいキャラクターというのはいない

書けない日はある

家にこもる


根元さんも、キャラクターで書きやすい、書きにくいは特にはいないそう

書けないときは散歩、外に出る

 

・担当話数について

25話が高木さんなのは、最初と最後の話数はシリーズ構成がやるものなので当然、自分だろうと


28話が根元さんなのは監督の意向


・見どころについて

高木さん

要塞対要塞のシナリオは、監督と助監督が脚本を担当し、ああでもないと工夫して作っている


根元さん

たくさん話すところ(予告に出ているので査問会って言ってもいいですよ、と司会の方がフォロー)

20220304 銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第一章 初日舞台挨拶

・舞台挨拶

登壇者

多田俊介監督

アニメーションプロデューサー磯部真彩


観終えたあとなのでネタバレOK、次に観るときに注目してほしいポイントを監督と郡司プロデューサーに見どころをピックアップして語ってもらう


初陣のアッテンボローとラオ(監督)

若いので動きをつけたかった

動きとカメラを合わせるのが実は大変で、アニメを観ていると合ってなくてかくかくしてることもあるはず


メックリンガーのピアノ(磯部さん)

作画のほうから腕の動きと音を合わせたいとのことで相談したら、橋本しんさん自身が弾いてくれた

ジェシカのバイオリンも弾いてもらったのを参考にしている

最近は観るひとの目が肥えていて気が抜けない、らしい

 

初陣の艦隊戦(磯部さん)

今までの艦隊戦と少し違い、スパルタニアンとワルキューレがよく動くので何回観てもらってもいいのでは、という選出理由


車の映り込み(監督)

作画カロリーが高い

先輩の作画さんが言い出したのでノーとは言えず

建物や空など5つくらいに分かれたパーツを映し出している


ロイエンタールの過去シーン(監督)

よくあるセピア色じゃないようにしたいと美術さんに相談し、美術からキャラクターなどを設定した

アブノーマルな感じを目指した


処刑される貴族(磯部さん)

あきやまさんの作画ですごくよく動く

ミッターマイヤーの重厚さと対比が出るようになっている

ノイエをたくさん観ると、ここあきやまさんだなって分かるようになると思う


犬(監督)

IGと言えば犬と言われているのでプレッシャーがあった

世相を点描で描くのがうまくはまらなくて犬にカメラを持ってもらった

宇宙世紀にダルメシアンがいるかは真剣に討議したけど、原作通りダルメシアンにした


ミッターマイヤーが残した牢屋のご飯(磯部さん)

細かく設定されてて書き込まれてる

人参とか豆とか

司会の方がイゼルローンフォートレスとかでどうでしょう、と言うと、変なものは入ってないので美味しくできると思う

、とのこと


ラインハルトとロイエンタールの会話、皆まで言うなのシーン(監督)

ロイエンタールが初対面のラインハルトに、ゴールデンバウムは倒れてもいいのでは、とまで言いかけるシーン

有名なシーンでかっこよくしたかった

後ろに控えるキルヒアイスの目が動いたりしている

曲の盛り上がりが最高潮にくるようにした

 

艦隊(監督)

キャラクター以外は3DCGで出来ていて、艦隊戦と要塞対要塞はCGがすごい


ドッグのブリュンヒルトとバルバロッサ

(磯部さん)

艦船大好き、バルバロッサ大好きなので

言ってたら艦隊ナイトとかあるかもしれないし、で場内拍手